えび父さんの日記

召集命令が延期になってしまいました。。。

高濃度の放射能にて汚染された水が溜まっている影響で現場の作業が遅滞しているようです。

その為に、本来なら今日明日くらいに現場に戻るはずだったのですが、少し延期になりました。

水を排水しないと自分の出番が無いという感じですかね。

皆さんに応援してもらって気合も満タンだったのに（ガソリンは乏しいですが）

なんか、一気に気が抜けて変な疲れがでてしまった・・・

家族も非難させてしまったし、一人で何をして時間を過ごせばいいのやら

ただ、待つって、凄く辛い事ですね。

なんか、モチベが凄く下がってしまってるので、今日はこの辺で終わりにします。

原発関連や、放射能、放射線の事で質問等ありましたら気軽にコメして下さい。

自分のわかる範囲でお答えします。いえ、させて下さい。

前記事へのえびまるさんへの返コメとして、放水、原発周辺の状況について書きます。

まず、放水車による放水はまったく意味の無い物ではありません。

もし放水を止めてしまうと、燃料棒（放射性物質の塊と思ってください）が水中から露出し

今よりも高濃度の放射能を撒き散らし、結果放射線量も増大してしまいます。

今の燃料棒は停止して時間が経ってない事により、かなりの高熱になっております。

通常であれば真水が常時循環し冷却しているのですが、ポンプ等の運転が出来ない状態になっており

残っている水が蒸発してしまっているのが、原発周辺どころか関東圏にまで放射能が飛散しているんです。

こう書くとじゃあ、水入れたらダメじゃないかと思われる方もいらっしゃると思いますが

燃料棒が高熱のまま露出すると、事故初期に言われていたメルトダウン（炉心溶解）の恐れが

現実の物になってしまいます。

メルトダウンを引き起こしたら、はっきりとは言えませんが原発周辺は死の土地となり

数十年、数百年と言う長い時間、誰も立ち入れなくなってしまいます。

そうなってしまうと、復旧作業どころか放射能の封じ込めも出来ず

今よりも広範囲に放射能汚染が広がる事になります。

じゃあ、早く電源を復旧しろという事になりますが、燃料棒が露出した状態では安易に近づく事が出来ません。

いつメルトダウンを起こすかわからない所に、作業員を近づけたらどうなるかわかって頂けると思います。

消防隊員、自衛隊員は、他の作業員のために、まさに命を賭けて放水作業を行ってくれています。

その甲斐あって、現場への立ち入りも可能になり、電源も順次復旧していると言えると思います。

また、海水の注入は確かに最善の方法ではありません。

東電も海水の注入は避けたかったはずです、海水を注入すると設備の腐食等の影響が出て

本来動くはずだった物が動かなくなる可能性も高くなりますから本来は避けるべきです。

でも、今の現状で大量の真水を用意できるかって事になります。

早急に大量の真水を入れないと事態の悪化に繋がる以上、すぐ目の前にある海水を使わざるを得ない

一昨日くらいから船にて大量の真水が運ばれ、真水での放水、注入を開始したようなので

燃料棒の冷却作業は少しづつではありますが、改善の方向に向かっていると言えると思います。

電源関係の復旧作業も、困難は多々ありますが確実に進んでいます。

まだまだ予断を許す事は出来ませんが、最悪の事態だけは避けられそうな状況だと思います。


えびまるさんがご覧になった放送で話をしていた人は何を根拠にお話したのかわかりませんが

私から言わせてもらえば

「お前みたいな奴がいるから国民は混乱するんだ！」

「現場の状況もわからない奴が勝手な事言ってるんじゃねえ！」

「電源復旧しろと言うなら、お前が現場に来て自分でやってみろ！」

「現場で命を賭けて戦ってる奴らの行動を素直に受け止めろ！」

思いっきり大きな声で言ってやりたいです。


真実の隠蔽、政府の無策、東電上層部の危機感の無さ、何が真実かも確認もしないで垂れ流しするマスコミ

理想論、能書きばかりをだらだらしゃべる無能な解説者・・・

必要なのは、安全か危険か、それだけで良い様な気がするんですけどね

今のままでは、国民の不安が蓄積するばかりで、良くなるどころか悪い方向に悪循環するような気がします

私が言っても信憑性皆無ですが、原発はすぐにはどうとかなる物ではありません

最悪の事態は脱したといって良いと思います。

だから、みなんさんは不安にならず安心して生活を続けて下さい。


あと、原発周辺の状況ですが

双葉町から広野町にかけては、放射能で汚染されてますので安易に立ち入ることが出来ません。

原発が収束した後、周辺地域の除染作業に入り安全が確認されないと戻れない状況だと思います。

そこまでの時間は、正直まったく読めません・・・・・残念ですが年内は無理だと思います。

また、原発から２０キロ圏内は無法地帯と化し、空き巣被害がかなり出ているそうです。

津波被害に遭った海岸沿いも手付かずのままで、道路も陥没したまま放置してあるようです。

いつか戻れる日が来るとは思いますが、今の現状を考えると先行きは暗いと言うしかありません・・・

自分のブログを見て下さってる方ありがとうございます。

また、コメントにて応援・心配をして下さってる方々、本当にありがとうございます。

皆様のおかげで、勇気と力が沸いてきております。


本日、嫁と子供を嫁の実家に非難させました。

再度原発に行くに当たって、いつ避難勧告が出るかもわからない地域に置いていけませんからね

離れるのは寂しく、心配もありますが、原発に行かなければならない現状を考えると他に選択肢が無かったです。

これで南相馬市に残ったのは自分だけになってしまいました。

親類も友人も誰一人居なくなってしまったので、召集かかるまで孤独との戦いです。

食料の備蓄はすでに非難した親戚・友人等から頂いた物があるので

2～3週間は飢えに悩まされる事はなさそうなのが救いですかね

もっとも、その前に再召集されるので１ヶ月以上は持ちそうです。


原発の状況も、相変わらずグダグダみたいだし

おとかずまさんに教えてもらって知ったのですが、３人が被爆した事故で

東電は事前に高線量エリアであった事を知っていたとか違うとか

もう、何でもあり状態になってますね

最前線での混乱振りは変わってないんだなと・・・

東電職員も協力会社職員も不眠不休で戦っているんで当たり前と言えばそれまでなんですが

そういう現場の状況も知らないのに、能書きを言っている国と東電上層部には腹が立ちます。

一度現場に入れば、満足な食事など取れず、当然風呂もなし、トイレは断水したままなんで

水が流せないためアンモニア臭が蔓延、精神的にも肉体的にも極限の状態で作業してるのに

一度でいいから、東電上層部や国のお偉いさん達も原発に来て見ろと言いたい

現場で何が起こっているのか見てもいない東電上層部、東電から情報が入らないと言い訳をする国

情報が欲しいなら自分で見に来い！百聞は一見にしかずって言葉を知らないのか！と

ほんと、大声で言ってやりたい

現場で頑張っている、戦っている人達の現実を見てから能書きを言って欲しい

本当に戦場なんです。余震の恐怖、放射線の恐怖、いつ帰れるかもわからない恐怖

その中で戦っている人達の事を、東電上層部も国も考えて欲しい

正直、自分だって再度行くのは怖いです。

目の当たりに見てきただけに、最初と違う恐怖があります。

今度言ったら被爆量が限界になるまで帰れないだろうし、先が見えない中での作業は本当に苦痛です。

でも、やらなければならないから行くんです。

大切な家族と、自分の故郷を守る為に行くんです。

東電上層部も、国も、そういう覚悟を持って原発問題に対処して欲しい

安易に避難命令を出し、安易に出荷制限を出し、安易に取水制限を出す・・・

本気で日本を救おうと思ってないんでしょうね

もう、国に何とかしてもらおうなんて気持ちは持っていけないのかもしれませんね。


そういえば、南相馬市の北にある相馬市の市長は、国が出て行けと言わない限り篭城すると宣言しました。

興味のある方は読んでみて下さい。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110326-00000117-san-soci

大きな感銘を受けると共に、南相馬市も負けてらんね！必ず復興させてやる！と改めて気合を入れ

来週来るであろう、召集命令を待ちます。

南相馬市は市の3分の2位が屋内退避エリアになっていますが

放射線の数値は全然問題ない数値で、言い方は悪いですが関東よりも安全と言えるくらいです。

それなのに国の無策のせいで無法地帯になるように仕向けられてます。

普通に生活できる地域であるにもかかわらず、不安を煽る会見・報道をし

市民を県外に避難させ、残っている市民には満足な物資も送らず

挙句に物資の輸送が困難だから避難区域にしようと考えてるとか、もう、呆れる以外ありません

南相馬市はゴーストタウン化していっていますが、中には戻ってきてる人も居ます。

避難所生活よりも自分の家で生活したい、多少の不便があっても故郷に帰りたい

そう思う人もかなり居ると思います。

行政も出来る事を必死にやってくれてると思いますが、国の援助が無ければ立ち行かないのが現実です。

宮城県や岩手県沿岸部は、着々と復興に向けて動いてるのに、南相馬市以南は復興どころか

死の町への道を歩んでいるように思います。

自分で確認したわけではありませんが、南相馬市から南の避難区域に設定されてるエリアでは

捜索活動も、復旧作業もまったく行われてなく、もしかしたら津波被害に遭った方の中で

生存者も居たかもしれないのに、もう、完全に手遅れでしょう・・・

地元民として、本当に悔しい限りです・・・


また、福島産の野菜を食べるなとか、牛乳は危険とか

安全なエリアですら風評被害で生活が困難になりつつあります。

昨日、隣の飯館村の職員と話した時も、野菜が売れないと農家は生活出来ないと言ってました。

当然ですよね。一生懸命汗水垂らして作った物を国が買うなって言ったら

その人達はどうやって生活をして行くのでしょうか？

国が安易に国民を見捨てるような発言をしていいのでしょうか？

確かに放射能が付着していれば危険はあるでしょう

でも、仮に放射能が付いていても、水洗いをすればほとんどが流れます。

私が原発で作業していて、放射能が付着した場合も水で洗って終わりですから。。。

洗えば食べても問題無いレベルの野菜もたくさんあるのに、そういう情報は公開せず

ただ、食べるなの一言じゃ国民も敬遠しますよ

対象になっていない野菜ですら、福島産というだけで拒否する国民にもがっかりですが・・・


水にしても同じですよね

乳幼児に飲ませない方がいい、それは理解できるし納得もいきますが

荒っぽい言い方になりますが、年配の方まで飲みたくないとか言い出すのはどうなんでしょう

今、検出されてる数字なら毎日飲み続けてもほとんど問題ないし、問題が出る数字になるまで

数年かかり、そこから人体に影響が出るまでさらに数十年かかるんですよ

その時、あなたは何歳ですか？そこまで生きてるんですか？と言いたい

今、原発作業者にはヨウ素剤が配られていますが、対象は40歳未満なんです。

数に限りがある事もありますが、影響が出るまで数十年かかるということで

若者には影響を最小限に抑えよう、申し訳ないが40歳以上の人は若者のために我慢してくれとなります。

もちろん、40歳の私は喜んで了承しました。


今、この震災を乗り切るために、優先順位で行動する事が今は必要に感じます。

水であれば乳幼児から、ガソリン・保存の効く食料・日常品等生活に必要な物であれば被災地から

今まで普通に生活が出来ていたものを不便にするのは辛い事と思いますが

同じ日本人として被災地の為、将来の日本を担う子供の為に、我慢できる事は我慢して

一日も早く、以前の日本に戻れるよう頑張りましょう


以上、乱文になりましたが、読んで下さった方ありがとうございます。

反論・意見等ありましたらコメお願いします。

本日、一時帰還したのでブログの更新をします。

初めに、前スレでコメを頂いた、おとかずまさん、えびまるさん

コメントありがとうございました。

前スレを書いてすぐに出てしまったので、コメントを見たのが先ほどになってしまいましたが

私のような者の心配をして下さるコメントに思わず涙が流れました。

改めて自分の行った事、そして再び行う事の必要性を感じ、勇気が沸いてきました。

本当にありがとうございます。

事態が収拾しましたら、えびの話でも出来たらと思います。


もう、お気付きの方も居ると思いますが、福島第一原子力発電所から帰還しました。

一人の作業員として事態の収拾のため働いてきました。

本来は金曜日までの予定だったですが、体調の関係で一時離脱を余儀なくされ

恥ずかしながら戻ってきた次第です。来週早々には再び行かねばなりませんが。。。


今日、ブログを書こうと思ったのは、今の原発の状況を少しでも伝えられたらと思ったからです。

テレビでも再三報道されてるようですが、電源関係の復旧作業は牛歩の歩みですが確実に進んでいます。

ただ、楽観は出来ません。

一部専門家も言っていますが、電気が通じても機械が動く保障は無いからです。

とはいっても、電気が無ければ動かない機械だから、電気を通す事によって動く期待が持て

もし動かなくても、直すか交換すれば動くようになるので、楽観は出来なくても悲観する事ではないです。

さらに、地震直後、原発は自動で運転を停止し、非常用発電機が運転開始して

原子炉を冷却する機械関係が約１時間正常に稼動していた事が確認されているようなので

今も動く保障は無いですけど、正常に動く可能性は高いと言えます。

では、なぜ１時間動いていたのに止まってしまったかですが、津波により浸水してしまったからです。

津波が無ければ、原発はただ安全の為に止っただけ・・・・それだけだったんです。

実際には多少の建物の損壊、機器の破損等はあったでしょうが、現在のような事態にはならなかったはずです。

東電を擁護する気はありませんが、１０ｍを超える津波が来る事など想定の範囲外であったといえます。

地震だけなら今起こっているような事態にはならなかったであろうと思います。


今のままだと、確実に福島第一原発は使えなくなり、第二原発もダメになりそうな雰囲気です。

そうなると、夏場は確実に電気が足りなくなります。

計画停電も何年続くのかわからない状況になる可能性もあると思います。

東京電力が持っている発電所をフル稼働させても需要が追いつかないのは確実です。

関東圏の人には苦しい生活だと思いますが、今は節電の協力を全力でして下さい。

また、原発事故の事態の収拾、復旧に向けて応援、協力して下さい。

具体的には、買占めや無為に不安を煽るような事や不安にならないで下さい。

私が言うのも変ですが、関東圏は命が取られるような事態には絶対になりません

関東に住んでいる方たちより、地元民の方が危険な目に遭っています。

関東の為に電気を作っていた発電所の為に、多数の地元民がなんの恩恵もないのに苦しんでいます。

関東圏で不要に買占めや、偏見の目で見ることによって、物資が届きにくくなってるんです。

宮城県や岩手県の被災地よりも優先して欲しいとは言いません

せめて同等に扱って欲しい、原発の収拾に命を賭けてる人がたくさん居る事をわかって欲しいです。

原発問題は、福島県だけの問題ではないんです。関東圏にとっても重大な問題である事をご理解下さい。

ご理解頂ければ、不要な買占めや節電に対する苦情も無くなると思います・・・・・


最後になりますが、買占めをしない、節電しようと訴えて下さっている皆様へ

私一人の力では何も進みませんが、現場では何百人という人が頑張っています。

必ず収束して、以前と変わらない生活に戻ると信じて居て下さい。

私も微力ながら、故郷の安全と安心、関東圏への安定した電力供給が出来るよう頑張ります。